現存するレコードの中で最も古い歴史あるジャンルであるジャズレコード。
古参の音楽ファンだけでなく、世界中に熱狂的なファンを持つ愛される音楽ジャンルであるジャズは、高額買取となるタイトルも多いレコードです。
自宅で眠っているジャズのレコードが、思わぬ高額買取につながることもあるので、不要なレコードがあるなら、劣化する前に買取に出すのがオススメです。
そこで今回は、ジャズのレコードに関して、高額買取の理由や高額買取になりやすいジャズレコードと特徴、買取相場などについて、詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
ジャズのレコードは買取で高く売れる?

ジャズは、1920年代のスウィング・ジャズから始まり、19世紀の終わり頃から20世紀にかけてアメリカ南部で派生・発展した長い歴史を持つ音楽ジャンルです。
インスピレーションに任せた即興演奏など独特の音楽的特徴を持ち、ポップスやロックに比べるとややマイナーではあるものの、世界中で熱狂的なマニアも多い音楽ジャンルです。
ジャズのレコードは、長い音楽の歴史から同じ作品でも、さまざまな国・時代で作品が作られておりバリエーションも豊かです。
そのため、レコードの買取価格にもかなり幅があります。
中でも、オリジナル版と呼ばれる製造されたものの中で最も初期のものや初版のものは、高額買取につながりやすくなっています。
またブルーノートやリバーサイドといった人気レーベルから発売されたレコードも人気が高いです。
その他にも、近年では「和ジャズ」と呼ばれる日本人ミュージシャンのジャズの人気が高まっています。
和ジャズのレコードは、海外のジャズに比べてオリジナル盤である確率が高いことも、高額買取に繋がりやすい理由です。
高値が付くジャズのレコードの特徴

ジャズのレコードの中でも、とくに高値が付くレコードの特徴として、以下の4つをご紹介します。
- オリジナル盤のレコード
- 人気レーベルから発売されたレコード
- 日本人ミュージシャンのレコード
- 保存状態の良いレコード
オリジナル盤のレコード
最初にプレスされた原盤である「オリジナル盤」は、高価買取につながりやすいレコードの1つです。
たとえば、ブルーノートレーベルであれば、アメリカで最初にプレスされたレコードが「オリジナル盤」と呼ばれるものです。その後他国でプレスされたレコードは、再発盤・リイシューと呼ばれ、買取価格はオリジナル版に比べて低くなる傾向にあります。
オリジナル盤は、楽曲を収録したばかりの状態の良いマスターテープから生産されるため音質が良く、プレミア価値のつくものもあります。
再発盤・リイシューと比べて査定額が10倍以上となることも多く、高値が付くレコードの種類と言えるでしょう。
人気レーベルから発売されたレコード
ブルーノートやリバーサイドなどの人気レーベルから発売されたレコードは、高値がつきやすくなります。
人気のレーベルには、人気・実力を兼ね備えた所属アーティストがいることや録音・プレスの品質が高いことなどから、演奏・音質面で優れた作品が集中してます。
その分人気が高く中古レコードの査定価格も高くなる傾向にあるのです。
特にジャズレーベルの代表格ともいえるブルーノートには、高額買取につながる名盤が多くあります。
ブルーノートは1939年に創設されたアメリカのジャズレーベル。
マイルス・デイヴィスを始めとして、名だたるアーティストが所属しており、そのオリジナル盤は、現在でも高い人気を誇ります。
また、ブルーノートのレコードは、洗練されたジャケットデザインも人気の理由。
工夫を凝らされたレタリングなど、飾っておくだけでもおしゃれなデザインも価値を高めています。
日本人ミュージシャンのレコード
近年では、和ジャズと呼ばれる日本人ミュージシャンによるジャズレコードも人気が高まっています。
和ジャズは、1950年~1980年代に多く発売されました。
当時の評価はそれほど高くありませんでしたが、近年になり再評価されており、日本国内だけでなく、世界的な人気を獲得しつつあります。
和ジャズが高額買取となりやすい理由には、海外盤に比べオリジナル版である可能性も高いことが挙げられます。
また当時の評価がそれほど高くなかったことなどもあり、再発盤が出ていないタイトルもあることから、希少価値が高いことも高額買取になりやすい理由です。
保存状態の良いレコード
保存状態の良いレコードも高値が付きやすいレコードの1つです。
ジャズのレコードは、その歴史も長く発売から長い期間が経過したものも多くなっています。
その分レコード自体やジャケットに傷や汚れがあるものも増えており、きれいな状態のまま保存されているだけでも高額買取につながりやすくなります。
また、歌詞カードや帯といった付属品が揃っている場合も高額買取に繋がりやすいでしょう。
プレミア価値が付くジャズのレコードは?
ジャズのレコードの中でも、特に高額査定になりやすいレコードをいくつかご紹介します。
ご紹介するレコードはどれも高額買取に期待できるので、お手元にあるなら状態が劣化する前に一度査定を受けてみましょう。
なお、以下でご紹介するレコードの買取価格は執筆時点での参考価格です。
レコードの買取金額は、レコードの状態や買取店の在庫状況、中古相場の動きによって大きく変動します。
参考程度にしていただき、実際に査定を受けて買取金額を確認するようにしてください。
Blue Train(John Coltrane)
Blue Trainは、ジャズ・サックス奏者であるジョン・コルトレーンが1957年に発表したアルバムです。
コルトレーンのリーダー・アルバムとしては、唯一ブルーノートから発表された作品で、同社のアルバムの中でも人気の高い「1500番台」のシリーズの一つです。
ジャズは普段聞かないという人でも、ジャケットデザインを見たことがあるという人も少なくない、歴史的名盤となっています。
ブルートレインのオリジナル盤は非常に希少価値が高く、状態が良好なものであれば160,000円~240,000円ほどのプレミア価格がついています。
オリジナル版は以下のような特徴があるので、手元にある場合は確認してみてください。
- 「耳マーク」がレコード盤の内周部分にある
- ラベルに両面とも深溝がある
- ラベル面Side2に印刷されているブルーノートの住所が「47 West 63rd・New York 23」
- カバー裏下部に印刷されているブルーノートの住所が「47 West 63rd St・New York 23」
Cool Struttin’(SONNY CLARK)
Cool Struttin’は、ソニー・クラークが1958年にブルーノートから発売されたクラシックジャズアルバムです。
ブルーノートは、ブルースとゴスペルの要素を取り入れたビーバップの分派であるハードバップを世に知らしめたレーベルとしても知られており、Cool Struttin’はその代表作の1つともいえます。
日本でも1960年~70年代のジャズ喫茶全盛期に大ヒットし、時代を超えたハードバップの名盤として今でも愛されているレコードです。
気取って歩くさまを表す「Cool Struttin」を女性で表現したジャケット写真も人気の一つです。
こちらのレコードもオリジナル盤にはプレミア価格がついており、買取価格は140,000円~210,000円ほどになります。
Idle Moments(GRANT GREEN)
Idle Momentsは、シングルノートで名高いグラント・グリーンが1963年に発表したタイトルです。
テナーサックスのジョー・ヘンダーソン、ヴィブラフォンのボビー・ハッチャーソン、ピアニストのデューク・ピアソンとの共演でも有名です。
時代の新世代ミュージシャンが顔を揃えたことで、これまでとは違う味のある楽曲も多く収録されており、新生グラント・グリーンの代表アルバムとして高い評価を得ています。
こちらもオリジナル盤には高い価値がついており、買取価格は140,000円~210,000円ほどになります。
真夏の夜のロック(稲垣次郎 ソウル ビッグ メディア)
真夏の夜のロックは、1970年7月21日に日比谷の野外音楽堂で行われたコンサート「真夏の夜のジャズ&ロック」の実況録音を収めたレコードです。
日本のジャズ・ロック黎明期の熱さを捉えた重要作で、和ジャズの評価が高まっている近年、その価値は高まっています。
また高い人気を誇る一方で、市場流通枚数が少なく珍しいことでも有名で、プレミア価格がついています。
帯が付属しているなど状態が良いものは、買取価格は80,000円~120,000円に高騰しています。
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ジャズのレコードの買取相場

ジャズのレコードの買取相場を紹介します。
レコードの買取価格は、買取業者の査定基準や在庫状況、レコード本体の状態によっても大きく変動します。
また、トレンドの移り変わりによって、突如高騰したり逆に下落してしまうこともあります。
下記の表はあくまでも参考にとどめ、実際に査定を受けて査定金額をチェックしましょう。
タイトル | 買取価格 |
---|---|
Blue Train/John Coltrane(オリジナル盤) | (参考価格)160,000~240,000円 |
True Blue / Tina Brooks | (参考価格)57,000~86,000円 |
Waltz For Debby/BILL EVANS | (参考価格)48,000~72,000円 |
INDEED!/リー・モーガン | (参考価格)24,000~36,000円 |
Trio/ソニー・クラーク | (参考価格)24,000~36,000円 |
バック・トゥー・リズム/石川晶 | (参考価格)24,000~36,000円 |
コンプリート・リバーサイド・レコーディング/ビル・エヴァンス | (参考価格)3,200~4,800円 |
Kind Of Blue/マイルス・デイヴィス | (参考価格)640~960円 |
ジャズのレコードを高く売るコツ

ジャズレコードは、プレミア価格の付くものから買取価格がつきにくいものまで、査定価格は幅広くなっています。
しかし、現在お持ちのレコードにプレミア価値がついていなくても、少しコツを意識しておくことで高額買取に繋げられることもあります。
そこで最後にジャズのレコードを高く売るコツとして、以下の3つをご紹介します。
- レコード買取専門店に売る
- レコードを良好な状態に保つ
- ジャズレコードをまとめて売る
レコード買取専門店に売る
1つ目のコツはレコード買取専門店に売ることです。
ここまででご説明した通り、ジャズレコードはレコードの状態やオリジナル版かどうかなど、さまざまな要素で同じタイトルでも、買取価格が大きく異なります。
たとえばリサイクルショップなど、中古品を幅広く扱う業者では専門的な知識を持ったレコード専門の査定士が常駐していないケースが少なくありません。
その店、レコード専門店ならレコードの価値を正確に見極められる知識・買取経験豊富な査定士が多く所属しています。
レコードの価値にあった高額買取に繋がる可能性が高くなるため、大切なレコードを売る際には、レコード買取専門店に査定に出しましょう。
レコードを良好な状態に保つ
2つ目のコツはレコードを良好な状態に保つことです。
レコードは非常にデリケートなもので、雑に扱うと簡単に劣化してしまいます。
特にレコードにとっては湿気によるカビが大敵。
また横にして重ねて保管すると重みで歪みが出たり、傷が付く可能性もあります。
できるだけ経とれないように立てて、通気性の良い場所で保管するようにしましょう。
また、レコードを査定に出す際にはできるだけキレイな状態にしておくのもポイントです。
マイクロファイバータオルなどの柔らかい布で、ホコリや汚れを取っておきましょう。
ただし、軽い拭き取りで取れない汚れやレコード本体についている汚れを無理に取るのはやめましょう。傷がついていたりジャケットが破損している場合に自分で補修するのもNGです。
逆にレコードを劣化させてしまい、価値が下がってしまう可能性があります。
ジャズレコードをまとめて売る
3つ目のコツは、ジャズレコードをできるだけまとめて売ることです。
ジャズのレコードは、オリジナル盤など希少価値の高いものであれば、1枚でも高額査定につながります。
ですが、あまり高額にならないもののほうが圧倒的に多いため、そういったレコードは複数枚をまとめて査定に出すことで、査定額がアップすることもあります。
買取店によっては、まとめて売ることで買取額がアップするキャンペーンを打ち出しているところもあるので、うまく活用することで高額買取につながるでしょう。
まとめ
本記事では、ジャズのレコード買取について高く売れる理由や、高値が付きやすいレコードの特徴や買取相場、高く売るコツなどについて、詳しく解説しました。
ジャズの歴史は長く、レコードの中には希少価値の高いものも多くあります。
また近年のレトロブームから人気も高まっており、中古レコードの中でも高額で売れるタイトルが多いジャンルでもあります。
お手元にあるレコードが思わぬ高額買取につながるケースも少なくないでしょう。
レコードの価値を適正に査定してくれるレコード買取専門店に依頼するなど、高額買取には抑えておくべきコツがあります。
この記事を参考に、不要になったジャズレコードはできるだけ早めに買取してもらいましょう。