小紋の買取相場はどれくらい?特徴やその格について解説!
着物には様々な種類がありますが、小紋という種類の着物をご存知ですか?
一般的に有名な振袖、訪問着ほどメジャーではありませんが、小紋にも特徴があります。
小紋の買取相場や着るシーン、その詳細な種類、柄について詳しくご紹介いたしますので、ぜひチェックしてみてください。
小紋の特徴
小紋の最大の特徴は、連続した柄です。
振袖や訪問着のように場所によって柄が違ったり上から下へ柄が変わっていくのではなく、一定間隔で同じ柄が染められています。
前も後ろも、柄の大きさも関係なく、同じ柄が何箇所にも連なっている着物は小紋と呼びます。小紋の着物を作るには同じ柄が必要なため、型紙を使います。そのため小紋の染色技法を型染めと呼ぶこともあります。
小紋の格
着物にはそれぞれ格があります。この格によって着用シーンが変わるため、小紋を着たい場合はその格を知ることも大切です。
結婚式、成人式、入学式など、正式な場所へ着ていく着物を略礼装、または準礼装と呼びます。
この略礼装や準礼装には色留袖、訪問着、振袖、色無地などが分類されます。
一方で普段着、街着として着用できる着物をしゃれ着、外出着と呼びます。
このしゃれ着、外出着には付け下げ、小紋、訪問着、絞り、更紗などがあります。
このように小紋はしゃれ着に分類され、着物の中でも格が低くカジュアルに着ることができます。
多くのシーンで楽しむことができ、お稽古、観劇、ちょっとしたお食事会、お茶会などでも着用することができますよ。しかし結婚式や目上の方に呼ばれている会などに着用していくとちょっとカジュアルすぎる印象になってしまうので、改まった場所へ着ていく際には注意しましょう。
小紋の買取相場について
ちょっとしたお出かけに気軽に着ていくことができる小紋。
小紋はお手頃な価格で購入できる着物としても人気ですが、買取市場ではどのような扱いとなっているのでしょうか。
小紋の買取相場は、リサイクルショップですと数百円から数千円といった程度に留まることが多いようです。
もともとが安いものでもありますし、気軽に着ていくことができる分汚れなどが目立つ場合も。
小紋は一枚一枚の価格を期待するより、たくさん数を売ってまとめ売りとしてポイントを稼いだ方が良さそうです。
また、小紋を売るならきちんとその小紋の状態を判断してくれる着物買取専門の業者を選びましょう。
着物買取専門の業者に買取を依頼すれば、化学繊維の小紋でも1000円前後、正絹の小紋なら1万円程度、さらに有名作家のものなら5万円程度で買い取ってくれる場合もあります。
これらは大雑把な目安ですので、小紋の状態によってはもっと価格は下がりますし、人気の有名作家のものならもっと高い価格で売れる可能性もあります。
小紋を買取に出す前にあらかじめ査定のポイントを確認しておくとより安心ですね。小紋を購入してからの年月や、柄が古すぎないかどうか、保存状態は良好かなどが査定の判断基準になっているところが多いようです。
小紋の種類
小紋はその染め方によっても様々な種類があります。一口に小紋と言っても、その技法によっては大きく印象が変わってきます。
代表的な小紋の種類を3つご紹介いたします。
紅型小紋
紅型小紋は沖縄で生まれた染色技法を取り入れた小紋のことです。
紅は色合いのことを、型は模様のことを意味しています。沖縄の明るく色彩豊かな風景に負けないような、華麗で多彩な模様、色合いが特徴です。
もともとは琉球の上流階級の礼服に用いられていた染色技法で、中国や東南アジアの影響を強く受けているのもその特徴の一つです。
当時は柄の大きさや使われる色によって階級を見極めることができたとも言われています。
紅型小紋には他にはない派手さ、個性的な面がありますので、様々なコーディネートを楽しむことができますよ。
変わりもの帯でより一層個性を演出してもいいですし。無地の帯で派手な紅型小紋をすっきり着こなすのも素敵です。
小紋ならではのおしゃれな着こなしを楽しむことができるのが特徴です。
絞り小紋
生地の一部を縛って染めることでその部分に色がつかず、均一に小さな柄を入れることができる絞りという染色技法を用いた小紋のことです。
より細かく、均一な柄を入れることができるので、江戸小紋のような遠くから見たときと近くから見たときの印象が違う小紋を作ることができます。
絞りの部分の色を変えて柄を作り出すことも可能で、見れば見るほど小紋の柄を楽しむことができますよ。
小紋はカジュアルな着物に分類されますが、絞りは大変手間と時間、技術が必要となる染色方法です。そのため、高級感を楽しむこともできますよ。
更紗小紋
更紗とは、室町時代から桃山時代にかけてインドやジャワなど、異国から持ち込まれた染色方法です。
異国情緒溢れる更紗の柄は日本でも瞬く間に人気となりました。インドやジャワでは手書きによるものがメインでしたが、日本では型による染色方法が一般的です。
また、柄もインドやジャワなどの伝統的なものから、徐々に日本風に進化していきました。
着物の柄としても取り入れられるようになったのは大正時代に入ってから。最初は帯にこの更紗が取り込まれるようになりました。
昭和時代にはそのエキゾチックな雰囲気が好まれ、更紗小紋が登場しました。着物の新たな個性的な装いとしてとくに人気が高くなったと言われています。
小紋の柄
小紋の柄にもそれぞれの名称があり、また違った歴史を持っています。
小紋の柄から格や雰囲気を楽しむのもおすすめですよ。
江戸小紋
小紋の中にも様々な種類がありますが、中でも有名なのが江戸小紋です。
江戸小紋は一般的な小紋よりも少し格式が高く、紋を入れれば略礼装として着用することも可能です。
江戸自体に大名が着用した模様が発祥となっており、当時は大名間でその模様の派手さを競い合うことが流行しました。
しかしその争いが行き過ぎたため、江戸幕府から規制されるようになります。結果遠くから見ると無地、または地味に見えるのに、近くで見ると細かな模様が楽しめるという江戸小紋が誕生しました。
当時細かい模様を入れるのは非常に高度な技術が必要だったために、かえって模様が細かいほうが格の高い小紋、という風に進化していったのです。
柄の大きさにも段階があり、一番位の高い家臣が最も細かい柄の小紋を着ることが許されたとも言われています。
鮫、松葉、大小あられなど、大名家によって使われる柄が固定化されていったのも特徴です。
京小紋
京小紋はその名のとおり京都で生まれた小紋の柄です。
古くから着物のトレンド発祥の地であった京都ですが、京小紋が生まれたのは明治時代になってからでした。
京友禅の派手さ、型染めの技術を融合したのもで、基本的には単色染のものが多いです。
江戸小紋がシンプルで男性的であるのに対して、京小紋は華やかで多くの色を楽しめるのが特徴的。
江戸小紋より一つ一つの柄も大きく、可愛らしいデザインのものも豊富にあります。
しかし友禅よりも落ち着いた印象の着物が多いため、年齢を問わず様々な方が着ることができるという特徴もあります。
加賀友禅小紋
京小紋の影響を強く受けているのが加賀小紋です。石川県で生産されており、加賀友禅の技法を取り入れられています。
京友禅に比べて加賀友禅は落ち着いた優美な色合いが特徴的ですが、加賀友禅小紋にもその影響は強く受け継がれています。
可愛らしい柄ではあるものシックな色合いで、年齢を問わず多くの女性が楽しむことができます。
加賀染め小紋
加賀友禅小紋ともう一つ、加賀染め小紋というものもあります。
こちらは京ではなく江戸からの影響を強く受けたもので、江戸小紋のように遠くから見ると無地に見えるのに近くで見ると繊細な柄が入れられているという特徴があります。江戸小紋はシンプルで粋な雰囲気のものが多いですが、加賀染め小紋は江戸小紋に比べると少し優しく、柔らかい雰囲気のものが多いです。
加賀染め小紋を取り扱う方は今ではかなり少なく、その価値も大幅に高くなっています。
小紋とは言えかなりの高級感、特別感を味わえることでしょう。
まとめ
着物の種類、小紋について詳しくご紹介いたしました。
着物の中でも比較的カジュアルに着ることができる小紋。最近ではモダンな柄、現代風の柄も多くなってきており、より手軽に着物を楽しむことができるようになっています。
染め方や柄、種類によっても大きく雰囲気が変わるのが小紋の特徴です。その奥深さを知れば、たくさん小紋を集めたくなること間違いなし!
街着やちょっとしたパーティーの際にもっと着物を楽しみたい!という方は、ぜひ小紋の着物をチェックしてみてください。